フランスのリヨンからコルシカ島の旅行記です。コルシカ島では、アジャクシオとボニファシオという2つの都市を訪れたのですが、今回は、アジャクシオ観光と、ボニファシオまでの移動(バス)の体験談を紹介します。メジャーな観光地ではないので、リアルな情報をお伝えできると思います。
今回のバス移動で、私たちはなかなか困った体験をすることになります。バス停の場所や情報はネットで調べても日本語対応もしていないので、結構分かりにくいです。事前に調べようにも明確な答えに辿り着けず困っている方も多いと思います。そんな方のためにもなると思い、この記事を執筆しました。
私も、バスターミナルで聞いたことを鵜呑みにして、人生初のヒッチハイクをするはめになりました。(ええ!?)
そんな私の失敗談を元に、アジャクシオからボニファシオまでのバスの情報も合わせてお伝えします。
コルシカ島の気温
私が訪れたのは5月でした。
5月といえども地中海の島!バシャバシャ海に入っちゃうぞ♪というイメージで行ったのですが…意外と暑くない。(無知でした。)
服装は夏服で大丈夫だけれど、海に入るには寒くて断念。ビーチではひなたぼっこしてる人がたくさんいました。
5月の最高気温は、20度。
8月の最高気温は、27度。
…真夏でも日本の方が全然暑いですね。
バカンスでテンションが上がっていて恥ずかしいです。
アジャクシオについて
コルシカ島の西部に位置する都市。人口は7万人近くいるので、そこそこ栄えた都市です。なんと言っても、あのナポレオンが生まれた土地!ということで、歴史好きはぜひ訪れたい場所ですね。港町という雰囲気なのですが、至るところが整備されていてとっても綺麗!人もみな親切です。観光客も多いですが、ヨーロッパの方がほとんどです。
ナポレオンの家
ナポレオンが生まれた家がなんとまだ残っていて、現在では記念館になっています。室内に入って見学が可能!ということで、行ってきました。…あのナポレオンの家に入るって、かなり貴重な経験です。
このような、路地のなかにひっそりと立っていて、なかなかこじんまりとした印象です。
お家の中は、古典ヨーロッパといったとてもクラシカルな内装。
こちら、ナポレオンが寝ていたベッドです。なんかちょっと…小さめ!?あまり身長は高くなかったようです。
アジャクシオからボニファシオへ
今回の旅のメインはボニファシオだったので、アジャクシオの観光はそこそこにボニファシオに向かいます。交通手段はバス!2時間半ほどで到着するのですが…。ハプニング多発のバス旅の幕開けとなります…。
まず、長距離バスターミナルで、ボニファシオ行きまでのチケットを買います。
バスターミナルはこちら。
GARE ROUTIÈRE JACQUES NACERという駅でございます。
住所:17 Boulevard Sampiero, 20000 Ajaccio, フランス
クルーズが到着する港のすぐそばです。
バス会社の名前は、ユーロコルス。
チケットの値段は、片道大人1人20ユーロ(2,383円※2020年2月現在)
ここでプチトラブル。私たちが乗ろうとしていたバスは、ボニファシオの手前の〝ポルト・ヴェッキオ〟という街までしか行かないというのです。そこからボニファシオまでの交通手段は?と聞くと、停留所を降りたらタクシーがあるから大丈夫よとのこと。というわけで、安心してバスに乗り込みます。
約2時間のバスの旅。私は乗り物が大好きで、長距離バスなどでの移動も全然へっちゃらなんです!意気揚々と乗り込みました。
乗車後20分後、私は異変を感じます。
…き、き、き、気持ち悪い!!!
このバス、めちゃくちゃハチャメチャに揺れます。山を越えるのでルートからして仕方ないのですが、今までに経験したことのないくらいの揺れ。一緒に来た友達も眉間にシワが寄ってます。隣同士で座っていたのですが、揺れにより気持ち悪さMAXでお互い我慢の限界。2人とも窓側に座れるように、私は空いてる席へと移動。友達は、イヤホンで音楽を聴きながら気を紛らわそうと非常に頑張っておりました。私は窓からの景色を眺めながら、酔いとたたかいつつ頑張って写真を撮ります。他の乗客も同じように酔っている様子。子供がひとり我慢の限界に達しまして、途中でバスが停車。バスを降りて嘔吐しておりました。
休憩があったので、ここぞとばかりに空気を吸い込み、残りの時間を耐え忍びます。コルシカ島のほとんどは、山。ひたすら山を越えていきます。
酔い止めを飲め。
酔いに強くても酔い止めを飲め。
これからコルシカ島に行く予定がある方に、一番声を大にして言いたいことです。コルシカ島は、海外在住で世界何十カ国を旅行したことがある私でも一位二位に君臨するほど最高に素晴らしい旅行地です。
ただ、本当に心から酔い止めを飲んでほしい。
はじめてのヒッチハイク
ポルト・ヴェッキオの停留所に到着。
さあ、ここからはタクシーでボニファシオへと向かいます!しかし、異変には一瞬で気が付きました。
…タクシーがない。一台も。
というよりも、タクシーの停留所らしき空間さえございません。本当に何もない、果てしない一本道に、日本人2人が降り立ちます。この地に降り立った日本人は長い歴史の中でも私たちだけなのではないかと思えるほど、何にもない場所です。
これ、歩けるのかな…な…
写真ではとても明るく見えますが、遥か遠くに街の明かりが見えました。(幻だったのでしょうか)
時間的にも夕暮れに差し掛かってきていることもあり、焦るしかないこの状況。
私の心は決まりました。
〝もうこれ、ヒッチハイクしかないやん。〟
友達に告げると、慎重派の友達はそんな危険なこと!大丈夫かしらと尻込み。
でも、本当に他に手段が一切ない。
もう、わたしゃやるよ?と再度決意を表明すると、状況が状況なので友達も同意するしかなく。
ヒッチハイクってどうやるんだろう…親指立てるんだよね…と親指を立てようとしたその瞬間!
一台の車が私たちの前に止まります。
まだ親指立ててないのにも関わらず、あまりにも困った顔をした2人の顔を見て、運転手のお兄さんが止まってくれたのです。
「どこまで行きたいの?送っていくよ。」
と。大変お優しく言葉をかけてくれたお兄さん。
「ここからタクシーがあるってバスターミナルのおばちゃんに言われたのにないの!ボニファシオのこのホテルに行きたいんです。」と事情説明。
あっさりとヒッチハイクは成功し、無事にホテルに行ける嬉しさと安心感で天にも昇る気分の私。
しかし疑り深いタイプの友達は違います。「本当に善意で乗せてくれてるのかな…?」親切なお兄さんを疑っているのです。私は、お兄さんから善意しか感じません。滲み出る何もかもが善意しか感じられないのです。
このコルシカ島に来て、人々の優しさに私たちは感動してました。アジャクシオでも、本当にみんな優しかったのです。地図を広げれば、「どこに行きたいの?」と声をかけてくれて教えてくれるし、ただ歩いてるだけでも、明らかな観光客の私たちに目的地を聞いて、「あっちよ!」と教えてくれます。こちらから求める前に、周りの人が雰囲気を察し、心配して助けてくれるのです。そんな背景もあって、今回のこのヒッチハイクのお兄さん。疑う要素などありません。
あれほど一緒になってコルシカ島の人優しい優しいと優しい優しいと感動してたじゃないか。それなのに、なぜ友人は疑いの心を持っているのだろうか。そんな友人を納得させるために私は言い放ちました。
「あのお兄さんの顔を見てよ!悪いことしようとしてる人に見える?!」と。
友人は言いました。「見えない。」と。
ほれみよ。
こちらがその優しすぎるお兄さんでございます。
お兄さんはとても感じの良い人で、私たちに余計なことは聞きません。
「どこから来たの?」と聞いてきたくらいで、寡黙で親切でとてもカッコ良い。
私は思いました。こんな人と結婚したらきっと物凄く幸せだろうと。こんな秘境でもやっていけるかもしれないと。それを友人に告げると、なんと、友人も同じことを考えていました。さっきまで疑っていたのに!
それくらい、異様なまでに雰囲気の良さを感じるカッコ良すぎるお兄さんでした。
無事にホテルまで送り届けてくれたお兄さん。入り口の目の前まで車をつけてくれて、ホテルの従業員に、「この子たちのことよろしくね」と挨拶をしています。
お兄さん、結婚しよう。
そんなこんなで、恐るべきバス酔いと、果てしない一本道に降り立つトラブルもあったけれど、人の爽やかすぎる優しさに触れ、歴史に残る最高の日になりました。
…で終わるわけにはいきません。
なぜ私たちは、果てしない一本道で路頭に迷うことになったのでしょうか。改めて、アジャクシオからボニファシオまでのバスについて調べてみました。
アジャクシオからボニファシオまでのバス詳細
シーズンごとに時刻表は異なります。
下記は、私が利用したシーズンのものです。
運行:9月から6月末まで
便数:1日2便
・午前便
アジャクシオ発 :08時30分
スコペトで乗り換え:11時10分
ボニファシオ到着 :11時30分
・午後便
アジャクシオ発 :16時
スコペトで乗り換え:18時40分
ボニファシオ到着 :19時
そう、〝スコペト〟で乗り換えをしなくてはいけないんです。
先生!私たち、〝スコペト〟で乗り換え、してません。
言われた通り、ポルト・ヴェッキオで降りたよ?
私たちの聞き方が悪かったのか、バスターミナルの窓口のおば様が新人だったりして詳しくなかったのか真相は不明です。
※スコペトで乗り換えをしないと私たちみたいにポルト・ヴェッキオ(終点)でヒッチハイクをするか泣きながら歩くはめになります。
まとめ
コルシカ島の都市アジャクシオからボニファシオまで、長距離バスで移動しました。2時間ほどの旅路なのですが、山の中を越えて行くので、相当揺れます。よほど乗り物酔いに自信がある方でない限り、酔い止めは必須です。アジャクシオからボニファシオまでのバスですが、9月から6月末のうちに利用する方は、必ずスコペトという停留所で乗り換えをしてください。そうでないと、ポルト・ヴェッキオという場所に降り立ちます。ポルト・ヴェッキオからの移動手段はありませんので、くれぐれもお気をつけください!そして、コルシカ島の人たちはとっても優しいです。困ったときは全力で手助けをしてくれますので、旅行先としても自信を持ってオススメします。酔い止めは持参してください。(しつこい)